円揺動と球揺動の注意するところ
円揺動と球揺動の違いで一番わかりやすい形は球形状の違いです。
球形状の電極を円揺動で加工すると底にギャップ寸法のフラット部がついてしまうことと側面から見るRの大きさも変わってしまいます。
なんで底にフラット部がつくの?
放電加工揺動の動き方を見てください。
球形状を円揺動で加工すると放電ギャップのフラット面が底についてしまう。
- 円揺動は平面形状で円弧に動く
- 側面から見てZ方向(放電する高さ)が下がりながら円弧の動きをのみに動く
球形状用の電極で円揺動で加工するとRの大きさも変わってしまいます。
- 円揺動は側面の形状を見ないで円弧の動きをするため球揺動の電極で加工するとRの大きさも変わってしまいます。
- 製品形状R10で放電ギャップを片側-0.1で電極を作成する場合はR9.9にしますこの電極で円揺動加工すると出来上がり製品形状はR9.9になってしまいます。
下に図で説明します。
クリアランスを付けた電極に注意するところ
削りやワイヤーカットで電極をつくる時にクリアランス(放電ギャプ)を加工機でオフセット加工するときに形状によっては揺動パターンを注意してください。
加工機でオフセット加工とは工作機械で仕上げ代設定をすることです。例えば材料を加工する時に最終残し代0で設定するところを放電ギャップ部分マイナスで加工することです。
放電ギャップ分マイナスで加工するということは図面寸法より小さくすることということでいい?
はい。加工機で仕上げ代をマイナスで入力します。そのため図面寸法よりちいさくなります。
工作機械でのクリアランスも片側の寸法になります。
図面寸法10ミリに仕上げ代-0.1を入力すると両側で-0.2の為9.8ミリの加工物ができます。
球揺動と円揺動でRの大きさが変わるはコーナーRも同じです。
球揺動用電極と円揺動電極で加工したときの図です。
球揺動電極で円揺動で放電加工した場合球形状同様R5部がR4.9になります。
電極を他の人が製作したとき球形状電極と円揺動電極の違いはどうやってみわけるの?
電極図に揺動パターンが書いてあるため電極図で確認するか電極作成担当者に確認してください。
あまり経験はないですが電極支給の時は直接電極を測定してギャップを確認したことが数回あります。
どうして直接電極を測定しなければいけなかったのですか?
電極支給先に確認したのですが電極製作をお願いしていた会社が廃業したためわからないといわれたことと古い電極の時は担当者が退職してわからないって言われたからです。
円揺動用電極で円揺動放電加工すればR5部はR5になります。
揺動パターンで製品のRの大きさがかわる為球揺動と円揺動は本当に注意してください。